CELTAから学んだ生徒の成長を妨げてしまう行動

対面・オンラインで英会話レッスンを提供し、生徒さんの英語力向上のために奮闘している先生方のために、

自戒も込めてですが、生徒さんのためと思って行っていたことが実は生徒さんの成長を妨げているかもしれない。

そのような行動について共有させてください。

私がCELTAコースそして日頃のレッスンから学んだことです。

TTTが長くなってしまう

TTTとは、Teacher Talking Time(先生の話す時間)をいいます。

レッスンの主役は、生徒さんです。

もちろん、先生がアクティビティのやり方を説明したり、文法・語彙の解説をしたり、発音のお手本を見せたりなどは大切です。

レッスンの目的は、文法や単語、表現を理解し、自分で使えるようになることにあります。

そのためには、生徒さんになるべく英語をインプットし、アウトプットしてもらう時間を多く確保できるように

TTTをなるべく減らせるといいかもしれません。

文章補完をする

生徒さんがスピーキングアクティビティに取り組んでいる際に、単語がパッと浮かばなくてスラスラと話せていないと、先生はすぐに単語を教えてあげたくなる衝動に駆られることも多いかもしれません(私もです)

たとえば・・

先生「What do you like doing in your spare time?」

生徒「I like hanging ・・・」

先生「hanging out?」

先生は忍耐強く待つようにしましょう。

生徒さんは脳をフル回転させて、自分の力だけで英語を話そうと頑張っています。

その困難を乗り越えた先に、一歩先の成長が待っています。

生徒さんがお手上げといった様子で、恥ずかしい思いをしている様子でしたら、先生はお手伝いをしてもいいと思います。

まずはゆったりとした心持ちで、温かい目で見守りましょう。

「Do you understand?」と聞く

先生が「Do you understand?」または「ここまで大丈夫ですか?」と聞いたときに、生徒さんによっては「ちょっとわかりません」と言ってくれる方もいます。

ただ、先生のレッスンの進行などを気にして、わかっていないことがあったとしても「大丈夫です」と言う生徒さんもいらっしゃいます。

「Do you understand?」や「わかりましたか?」と聞く代わりに、CCQをした方が生徒さんの理解度をチェックするのに効果的です。

CCQとは、Concept Checking Questionをいいます。

自分の教えたいことを相手が理解しているかを確認するための質問です。

たとえば・・・

英語の手紙を読んだ後に、

「Tell me about the relationship between the sender and the recipient.」

「手紙の送り主と受け取り主の関係を教えて下さい」と具体的な質問をすることで、生徒さんが手紙の内容を理解できたかどうかを確認することができますよね。

もう一つ例をご紹介すると・・・

過去完了を勉強した後に、

The train had already left when we arrived at the station.

この過去完了の一文を理解したかを確認するために

Q. When you arrived at the station, was the train still there?

A. No.

Q. Did the train leave before you arrive at the station?

A. Yes.

Q. What do you need to make past perfect(過去完了) sentences?

A. “had” and “ past participle(過去分詞)”

など質問をすることで過去完了の用法・意味を確認することができます。

正直にフィードバックをする

生徒さんに次回も受講してもらうためや好感を持ってもらうために、できていないことに対して褒めようとしない方がいいでしょう。

生徒さんは、先生が思っているよりも「できた」か「できなかった」をしっかりわかっています。

もちろん、厳しく指摘する必要はありません。

優しく丁寧に、「こういったところはまだ足りないので、こういう風に学習を進めていきましょう」と改善できるポイントと改善法を提示すると、生徒さんの見通しもはっきりすると思います。

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参考文献

J.Scrivener(2011), Learning Teaching (pp.75~78), Macmillan Education Limited