Don't teach, teach, teach.

※自戒を込めた内容になっています。

先生のお仕事は生徒さんの英語力を上げることにあります。

生徒さんやその保護者さまからの期待もあり、焦っていろんなことを詰め込みすぎてしまいたい気持ちになるかもしれません。

言語習得は短距離走ではなく、マラソンです。

ひとつひとつできることを増やした先に、高いレベルに到達できます。

先生としての役割や教えすぎることのデメリットをお話ししていきたいと思います。

見守る

レッスンで教えるべきこと、文法の意味や用法、単語や熟語表現などを教えたあとは、生徒さんのアウトプットの時間になります

アウトプットの時間で生徒さんが苦戦している様子を見ると、すぐに助けたくなる気持ちになるかもしれません。

ただ、苦戦しているときの生徒さんの頭ではインプットした内容を自分の中で解釈してアウトプットしようとしています。

つまり生みの苦しみを経験している最中です。

その壁を何度も乗り越えたさきに、英語を正しくパッと使えるレベルが待っています。

先生は干渉せずに、見守るようにするといいでしょう。

教えすぎない

一度にいろんなことを教えたくなる気持ちになることもあるかもしれません。

または、生徒さんがアウトプットをする段階で文法的・表現的なミスに対して、フィードバックを与えることで英語力を伸ばしてあげたいですよね。

ただ教えすぎてしまうことで・・・

生徒さんが混乱してしまったり、そのレッスンで学んでほしい内容が定着しなかったりすることがあります。

そのため、レッスンの目的に関することを優先してフィードバックを与える方がいいでしょう。

たとえば・・・

レッスンテーマが「比較表現を使って自分の好みを伝える」だった場合

ひととおり比較表現の用法を学んだあとのドリル練習で

生徒「I like mystery novels better romance novels.」といった際に

先生が「比較級のときにbetterのあとには何が必要でしょう?」と質問して「than」を引き出すこと。

これはレッスンのテーマに関連したティーチングなのでOKです。

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実践を意識したスピーキングアクティビティ(ロールプレイなど)

テーマ「友達と見る映画を決める」

生徒A「What movie do you wants to watch?」

先生「wantsではなくてwantだね」

生徒B「Let’s watch the spy movie! My friend say it is interesting.」

先生「My friend says it is interesting.」

生徒A「I like romcoms gooder than spy movies.」

レッスンのテーマは比較級を正しくパッと使いこなすことにあるので、優先度が高いのは「gooder than→better than」になります。

そのため、動詞の三単現よりも比較級の表現を優先してフィードバックを与えるようにします。

フィードバックをするタイミング

このアクティビティは実践を意識したものになるので、ロールプレイがひと段落した段階でフィードバックをするといいです。

会話文で示したように先生からたびたび指摘されると、生徒さんのモチベーションが低下してしまいます。

実際の状況を想定したロールプレイでは、会話の途中で文法的ミスを指摘すると会話のテンポ感を崩してしまいます。

普段の会話では相手の言いたいことが伝わっていれば、そういったミスは流すことの方が多いと思います。

よくできていたところ・直すべきところは、アクティビティが終了したところでフィードバックを与えたほうがいいです。